M&Aとは

M&Aの件数は増加傾向にあります。

今回は、M&A初心者のためにM&Aそのものについて、わかりやすく解説したいと思います。

まずは、言葉の意味ですが、Wikipediaでは以下のように定義されています。

M&A(エムアンドエー)とは、企業の合併や買収の総称。英語: merger and acquisition(合併と買収)の略。 他の企業やその事業・資産を取得しようとする際、様々な手法が取られる。吸収合併、株式の取得・移管(TOB含む)、事業譲渡、会社分割、合併などがある。広義には、合弁会社設立を含めた資本提携や業務提携、OEM提携などを含む。
M&Aは新規事業や市場への参入、企業グループの再編、事業統合、経営が不振な企業の救済、資金手当てなどを目的として実施される。
日本法上の概念としては、合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式公開買付などの法的要素が核となるがこれらの各要素は対象企業のコントロールを得る手段として捉えられ、M&Aという場合には利用する手段のデザインを含めた企業戦略を把握する概念として用いられることが多い。

ちょっと難しいですかね。

一言でいうと、会社を売買するってことなのですが、具体的にどんな場面で、どんな狙いで行われるのでしょうか。
いくつかに分けて、解説を加えてみます。

買収する側の会社として

では、企業を買収したいと考える会社には、どんな気持ちがあるのでしょうか。
以下、3つのパターンに分けてみました。

市場シェアを増やしたい

市場内のシェアをアップさせるために、企業を買収するケースがあります。
表には、「業界再編」などと表現されますね。
業界トップに対抗するために、業界2位の会社と3位の会社が合併し、市場シェアをひっくり返す!ということも可能になるわけです。市場シェアを増やし、「トップシェア」になることで、大きなメリットが得られます。
単純に、購買力がつきますので、仕入先に対する発言力が大きくなり、仕入コストを下げることができるかもしれません。
また、シェアを伸ばすことにより、配送ルートが効率化され、流通コストを下げることができるかもしれません。
なによりも、トップに勝てなかった両社の強みが相互補完することにより、新たな競争力を得ることができるかもしれません。もちろん、トップシェアの会社が、追随する2番手以降とのシェア争いを盤石なものにするために、下位の会社を買収することも考えられます。

1社だけで、シェアを伸ばそうとすると、「営業力を強化し、、、」という、自社のリソースに負荷をかけるような戦略しか出てきませんが、M&Aを活用することで、さまざまな相乗効果を得られるのです。

新規事業に進出したい

新しいビジネスを立ち上げようとすると、人・商品・設備・ノウハウ・しくみ・お金などのリソースがかなり必要になります。
ですので、ゼロからビジネスをスタートするよりも、すでに動いているビジネスを買収した方が、はるかにスピーディーにビジネスが立ち上がります。

ですので、新規事業に進出するために、M&Aを活用するケースもあります。新規事業に進出するということは、事業の多角化が実現でき、経営が安定するというメリットもあります。

リソースを手に入れる

リソースを手に入れるために、企業を買収するケースもあります。

リソースとは、人材・設備・資金・技術・特許などがあげられます。
人材の中でいうと、自社に後継者がいないために、他社の経営者を次期経営者に行う目的で買収するケースなども実際にはあります。また、行政の許認可が必要なビジネスの場合、その権利を獲得するためにM&Aが活用されたりもします。

以上のように、買収する側の狙いとしても、さまざまなパターンがあるのです。

売却する側の会社として

では、売却する会社には、どのような狙いがあるのでしょうか。

後継者がいない

近年の中小企業が行う会社売却の理由としては、後継者不足というのが非常に多くなってきています。

セミリタイアしたい

経営者を卒業して、休みたい。または、新たなビジネスに参入したい。なども売却する理由になります。

事業の発展

事業をさらに発展するために、売却が有効な場合もあります。