トリミングサロン事業を売却(M&A)する前にやるべきこと

トリミングサロン・ペットサロンを経営している方に向けて「トリミングサロン事業を売却する前にやるべきこと」というテーマでお伝えします。ペットに費やす金額が年々上昇傾向にあり、愛犬のカットにトリミングサロンを利用している飼い主が62%もいるというアンケート結果があります。
そのような需要の高まりもあり、トリミングサロン事業を高額売却にできないかと考える経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回は、少しでも有利にトリミングサロン・ペットサロン事業を売却したい方に、役立つ情報をお伝えします。是非最後までお付き合いください。

トリミングサロンについて

トリミングサロン(ペットサロン)とは、ペットのトリミングやグルーミングなどのお手入れしてくれるサービスです。最近ではペットホテルも兼ね備えたサービスや、カフェなどを併設している店舗もあり、飼い主にとって嬉しいサービスが登場しています。また、カフェなどにおいては、ペット好きのコミュニティとしての役割も生まれていますね。ペットを大事な家族と考える人やペットの健康や美容に対するニーズの高まりもあり、それらのサービスに時間とお金を高額に使う人が増えているのが近年の特徴です。

トリミングサロン業界について

一般社団法人ペットフード協会のデータでは、犬の飼育頭数は減少傾向にあります。一方で猫の飼育頭数は横ばいで推移しています。ペットの飼育頭数については伸び悩む傾向にありながらも、ペットを大事な家族として捉える飼育者は増加しています。その背景からも、飼育環境や健康管理、マナーやエチケット関連の商品に対する需要が高まっています。具体的には、ペットフードの高級化やペット保険などの市場が挙げられるでしょう。今後もそのような流れが、市場を牽引すると予想されています。

買い手目線で見るポイントについて

トリミングサロン・ペットサロンの事業売却における、買い手目線で見るチェックポイントについて解説します。買い手側は、事業を引き継いだ後も安定して利益が見込めるかどうかを重視しています。そのため、そのことを念頭においた上で、ポイントを押さえることが重要です。その詳細についてまとめていますので、これらを理解することが事業売却を有利に進めるためのヒントになるでしょう。

事業スタイルについて

そもそもどのような事業形態で営業しているかがポイントです。テナントを借りている場合は、その立地条件だけでなく賃料などの固定費もポイントになるでしょう。店舗での営業だけでなく、出張型サービスやトリミングカーなどの形態もありますね。ここでは事業形態の一例を取り上げます。

  • 店舗型ペットサロン(ペット美容室)
  • 自宅開業
  • 移動トリミング(トリミングカーサービス)
  • 出張トリミング(訪問トリミング)
  • 動物病院の併設店
  • ペットショップの併設店

店舗型の場合は開業時に多額の初期費用が掛かるため、買い手側のその費用負担を減らすという視点が必要ですね。

開業エリアについて

開業するエリアとその立地条件は、非常に重要なポイントです。エリアの情報と立地条件を軸に、どのようなコンセプトの店舗にしているかも大切ですね。ここでは買い手が情報としてほしい、立地条件を考える際のポイントについて取り上げます。

  • 居住人口・世帯数・世帯状況
  • 交通量
  • 誘導施設の有無
  • 駐車場情報

これらの情報は、インターネットなどで検索をすれば得られる情報です。必要に応じて調査するのが良いでしょう。

店内・設備状況について

店内空間の清潔感や、設備や機器などの情報も重要です。特にペットを扱う特性上、汚れや臭いなどは目立ちやすく、衛生的に清潔な状態を保たれているかがポイントです。これらの情報は、買い手側としては改装の有無とその費用についても関わる部分になりますね。設備や機器については、ドッグバスやトリミングテーブル、ドライヤーなども最新式のものが取り入れられていると良いでしょう。そのまま良い状態で引き継ぐことができれば、そのことも売却時の資産になります。

集客施策の状況について

集客の状況はそのまま売上に反映されますが、継続性のある集客施策の仕組みが整えられていることが重要なポイントです。ホームページやSNS、インターネット予約の仕組み構築など、事業を引き継いだ後も変わらず集客が見込めると証明できる状態が望ましいですね。さらに、アンケートなどミステリーショッパーを活用した顧客満足度の調査も、定量的に評価できる情報もポイントとなるでしょう。

トリミングサロン事業の売却時にやるべきことは?

トリミングサロン・ペットサロンの事業の売却までにやるべきことについてまとめました。チェックポイントを理解した上でこれらに備えることで、トリミングサロン・ペットサロン事業の高額売却に繋がる可能性が期待できるでしょう。

店内の清潔感

事業売却を考え始めたら、店内清掃の見直しと、内装についても少しずつできる範囲で改装を進めてみましょう。トリミングサロン動物を扱うために、どうしてもは店内は汚れてしまいがちです。そして、匂いも気になる部分。大切なペットを預けるため、衛生面を気にされる飼い主様は多く、集客にも大きな影響を及ぼします。買い手が引き継いだ際に大規模な改装が必要であれば、その費用捻出のために高額売却が難しくなるでしょう。修繕が必要な箇所も含めて、少しずつ改装していくことがおすすめです。

設備や機器、商品の導入

ペットを大事な家族と考える飼い主様が増えており、トレンドとしてペットのお手入れサービスは高単価路線を走っています。そのようなお客様が満足する、最新の設備や高級サービスの導入を検討してみるのが良いでしょう。そのことが、事業売却時の一つの資産になる可能性もありますね。例えば、ペット入浴、マイクロバブル、エステ、歯磨き、新しいシャンプーなど新しい設備や機器があります。もちろんお店のエリア状況やコンセプトに基づきますので、導入には要検討することが必要です。

集客の改善施策について

ホームページのSEO対策、Googleマップの対策、既存のお客様へ各サイトやGoogleマップへの口コミ書き込み依頼など、一つの実績データとして計れるものを作り上げましょう。店舗の看板やチラシなども集客施策の一つですが、Web集客については実績として定量的に表すことができやすいです。そのことは、事業売却時のプラスのポイントになり得るでしょう。売上自体も向上すれば、さらに高額売却に繋がりますね。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか?トリミングサロン・ペットサロンを売却するときは、買い手側の目線で考え、評価されるポイントを押さえて準備を進めることが大切です。今回お伝えした内容が、事業売却を検討されている経営者様の少しでもお役に立てれば幸いです。