家庭教師派遣業を売りたい!家庭教師ビジネスを売却(M&A)するときのポイントをまとめました。

少子化などの影響から、一時は縮小傾向にあった家庭教師派遣業。しかし近年では、生徒の多様化や集団指導よりも「個別指導」が求められる傾向にあり、再び家庭教師の需要は拡大しています。本記事では、家庭教師派遣業の動向やメリットなどについて解説します。

家庭教師派遣業が注目される背景

少子化が進む現代で、家庭教師の需要はなぜ高まりを見せているのでしょうか?ここでは、考えられる理由3つについて解説します。

「個別指導」のニーズが高まる

現代の教育現場では、従来の「集団授業」よりも「個別指導」が尊重されています。なぜなら、一人の先生が数十人の生徒を受け持つ集団授業よりも、2~3人もしくはマンツーマンの個別指導の方が「学習の理解度」が高いと判断されているからです。集団授業では他の生徒から刺激が受けられるなど、良い意味で緊張感が得られるメリットがある一方、学校同様に受動的な授業になりがちというデメリットがあります。しかし、個別指導であれば生徒に合ったカリキュラムが作成できるため、先生の話を聞くだけといった事態が避けされ、能動的に学習が進められます。また、個別指導は近年増加傾向にある学習障害の生徒や不登校の生徒にも適しています。よって、自宅で学習できる家庭教師派遣業は今後も一定の需要が見込める業態と言えます。

「高校授業料無償化」で教育費減

生徒がどのような進路を選択するとしても、必ず発生するのが「教育費」です。ひと頃は国公立中心の場合1,000万円、私立中心の場合2,000万円程度が相場などと言われてきましたが、私立高校の授業料無償化が実質スタートしたことで、両者の差は縮小傾向にあります。これまで年収によって3段階だった加算額が一本化され、金額的に拡充されたことで、私立高校の授業負担は大きく軽減しました。節約した教育費は進路を後押しする塾や家庭教師代に回すことができ、保護者にとっては教育の選択肢が増えたと言えます。

新・「学習指導要領」で学び方に変化

約10年ぶりに改定された、2020年度の学習指導要領。この新・学習指導要領において、生徒の学び方に変化が求められています。グローバル化や人工知能・AIなどの技術革新が急速に進んだことで、生徒にはこれまでよりも「主体的な」学びを育む必要があるとされています。そのため、小中学校から「外国語教育」を導入したり、小学校の「プログラミング教育」が必修となるといった変革が成されました。授業の多様化が進み、学ぶ範囲が増えたことで、ますます学習サポートを必要とする生徒が増加すると想定できます。

保護者が塾より家庭教師を選ぶ理由3つ

個別指導塾も多く存在する中、保護者が家庭教師を選択する理由とは何なのでしょうか?ここでは、現代の忙しい家庭のニーズに合った、家庭教師ならではのメリット3つをご紹介します。

生徒に合った授業が受けられる

1つ目のメリットは、オーダーメイドの授業ができることです。塾への入会や家庭教師を検討する生徒の多くは、「学校の授業が理解できていない」と想定されます。そのような生徒が集団授業を行っている塾に行っても、残念ながら学力が向上する可能性は低いでしょう。一方、家庭教師なら生徒に合った授業が展開できるため、基礎の基礎からつまづいている生徒、苦手科目が明確な生徒に適した指導方法と言えます。

また、家庭教師の授業中は、必ず生徒が自力で問題を解く必要があります。塾の場合は時間が来れば授業が終わりますが、マンツーマンの家庭教師の場合、生徒が問題を解き終わるまでなどキリの良い所で終了します。そのため、塾よりも密度の濃い授業が受けられると言えます。

時間・場所の融通が効く

2つ目のメリットは、保護者の負担が減らせることです。自宅から離れた塾に通う場合や、長時間塾で授業を受ける場合、送迎やお弁当を作るなどの労力が必要です。しかし、家庭教師なら必要ありません。これは、共働きの多い近年の家庭にとって、大きなメリットと言えるでしょう。

また塾では、一旦クラスに組み込まれると一週間のコマ数も開始時間も決まっています。生徒に合わせて、曜日や時間を変更することはできません。しかし家庭教師であれば、コマ数や曜日、開始時間も調整可能です。例えば部活で忙しく、変則的にしか授業を受けられないようなお子さんには、家庭教師の方が適していると言えます。

距離が近く、先生に相談しやすい

3つ目のメリットは、先生と保護者が日頃から会話できることです。集団塾の場合は一人の先生に対して何十人もの生徒がつくため、保護者と先生が会話する時間は面談以外では基本的に持てません。しかし家庭教師なら、先生一人につき生徒も一人ですので、保護者が何か心配な点などがあれば先生と話す時間が設けられます。受験直前などはどんな生徒もナーバスになるため、どう接したらいいか悩んでしまうこともありますが、経験豊富な家庭教師であれば保護者と生徒両方の精神的なサポートができます。自分がどのくらい勉強していたか、家族とどういう関わり方をしていたかなど、経験談を世間話の延長で共有できることは大きなメリットと言えます。

人気の「オンライン家庭教師」も参入

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一気に需要が拡大した家庭教師派遣業、それが「オンライン家庭教師」です。ここでは、オンライン家庭教師の人気の秘密やオンライン家庭教師で学ぶメリットなどについて解説します。

オンライン家庭教師が人気な理由

今や大人のみならず子供もスマートフォンを持つ時代です。タブレット端末が導入されている学校もあり、「デジタルネイティブ」が急増しています。自宅にもインターネット環境が整っている場合が多く、オンライン家庭教師を受けやすい環境があることが、人気を促進していると言えます。また、年齢を問わず学ぶ「生涯学習」が推奨されていることも、要因の一つです。例えば趣味で英会話を学んだり、資格対策講座を受けたりなど幅広いカリキュラムから選択することができます。

オンライン家庭教師のメリット3つ

オンライン家庭教師で学ぶ上で、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、主なメリット3つを解説します。

「非接触」授業が可能

前述した通り、オンライン家庭教師はインターネット環境さえ整っていれば自宅でも外出先でも授業できます。従来の家庭教師派遣とは異なり、生徒の自宅に出向く必要がなく非接触で授業できるため、昨今のコロナ禍で人気を集めています。また、受験シーズンなどはインフルエンザや風邪を移す危険性もないため、生徒にも保護者にも大きなメリットとなります。

複数講師の授業が受けられる

従来の家庭教師は、生徒1人に対して先生も1人というスタイルが一般的です。しかしオンライン家庭教師は、その科目のスペシャリストが在籍している場合が多く、生徒は必要とする科目によって複数の先生を選択できます。例えば苦手科目だけ・受験科目だけ指導して欲しい場合などは、相当する先生を選択すればいいため、効率的に学習が進められます。

「対面型」より費用が安価

従来の「対面型」家庭教師とは異なり、オンライン家庭教師には「交通費」が発生しません。そのため、対面型よりも費用が安く抑えられます。ただし、授業の精度を高めるため、より機能的なマイクやWebカメラなどが必要となる場合もあります。

まとめ

家庭教師派遣業は、今後ますます変容と需要が見込まれる学習サービスです。多様化する生徒や家庭に柔軟に寄り添い、授業を提供することで教育現場を支えることができます。新規参入のオンライン家庭教師市場も拡大しており、利用者が増加する市場と言えるでしょう。