カフェを売却(M&A)するなら!人気カフェを参考に売り方を考えましょう!

カフェ事業は、競争の激しい飲食店業界で人気の高い業態の一つです。日本国内のコーヒー消費量は2019年の時点で45万2903トンと、10年前と比較し約1割、20年前と比較し約2割増加しました。比例するようにカフェ人気も高まり、チェーン店や個人経営の店舗が工夫を凝らした多彩なメニューを提供しています。今回は、カフェ人気の背景やM&Aの動向について解説します。

なぜ廃れない?カフェ人気の背景3つ

カフェはただ飲食する場所のみならず、店内のインテリアや音楽、コーヒーの香りなど空間全体を楽しむ場所です。カフェ人気が続く背景には、どのような理由があるのでしょうか。ここでは、考えられる3点について解説します。

ヨーロッパ由来で実は歴史が深い

カフェ文化は、1686年フランスで誕生しました。イタリア出身者がフランスでコーヒーを提供する店舗を構え、「高級感」を重視したコンセプトがフランス市民に受けたことで瞬く間に広まったとされています。その後、コーヒーの普及と共にカフェ文化も発展し、現在では日本のみならず世界中にカフェが存在しています。このように、世界中でカフェの人気が止まない理由には、実はカフェ文化に深い歴史があり、人々に浸透していた点があります。

平成時代に見られた多彩な変容性

フランスから伝来したコーヒー文化は、日本で多彩に変容します。平成時代にはフレンチカフェが次々にオープンし、地階に潜る喫茶店とは異なる「オープンテラス」が散見されるように。90年代半ばにはスターバックスが上陸し、コーヒーが苦手な人々にも飲みやすい「ラテ」が登場します。この頃から、オーナーのセンスを活かしたこだわりのカフェが人気となります。2000年代に入ると、ダイナーカフェや夜カフェ、和カフェ、北欧カフェなど新しいカフェの形態が人気となります。「カフェめし」という言葉も流行し、人々の生活と密着に結びついていきます。このように、カフェ事業はいつの時代も柔軟な変化を遂げながら、私たちの生活に寄り添ってきた業態と言えます。

味だけでなく多様な訴求方法が可能

カフェの魅力と言えば、こだわりのコーヒーが飲めることに尽きるという人もいるかもしれません。しかし、中には居心地の良さやメニューの豊富さ、店主やスタッフの人柄に惹かれる人もいます。このようにカフェ事業は、コーヒーの味以外にも多角的な訴求ができ、こだわりを反映した個性的な店舗が作りやすい業態と言えます。

近年のカフェ業界トレンド&動向

カフェ業界は、昭和~令和に至るまで柔軟に進化してきました。近年のカフェのトレンドとは、どのようなものなのでしょうか?ここでは、特徴と動向について解説します。

低価格帯&「サードウェーブ」の二極化

近年は、低価格のコーヒーを主軸としたチェーン店が増加しています。代表格はドトールやスターバックスなどで、一杯200円~300円台のオリジナルコーヒーを提供しています。2020年度の国内店舗数はそれぞれ1,601店舗と1,088店舗。スターバックスは実に47都道府県全てに出店した実績を誇ります。この他にも、モーニングメニューが話題のコメダやタリーズなど追従するチェーンは多く、手頃さが魅力のチェーン店が全国に展開しています。

その一方で、かつての喫茶店のようなこだわりのコーヒーを主軸とした「サードウェーブ」も注目を集めています。トレーサビリティ(追跡可能性)が明確で、コーヒーショップが直接生産者からコーヒー豆を輸入するダイレクトトレードなどが増加しています。代表格となるのは2015年に到来した「ブルーボトルコーヒー」で、1杯450円~600円程度のこだわりのコーヒーを提供しています。

手薄だった「紅茶」の提供へ

日本のコーヒー消費量は増加していますが、その一方でコーヒーが苦手な人も一定数存在します。カフェチェーン各社は、コンビニが格安コーヒーの提供を開始したこともあり、紅茶の提供に力を注いでいます。タリーズでは季節限定のフルーツティーの商品数を増やし、紅茶に良く合うスコーンや菓子類も併せて販売しています。またプロントでも紅茶のグランドメニューを増やし、季節ごとに紅茶商品のラインナップを変えています。これにより、コーヒーが苦手な特に女性客の需要が見込め、紅茶以外にも日本茶専門のカフェなども増加しています。

上場する企業、ECO活動も

2019-2020年のカフェ業界の業界規模は1,871億円となり、2014年~19年にかけて緩やかに上昇しています。そんな中、株式上場する企業が増加しています。スターバックスやキーコーヒーをはじめ、カフェ運営を主な事業とする上場企業は実に15社前後も存在します。前述したコメダも2016年に株式を上場し、中部地区以外や海外の店舗が増加しています。

上場企業が増えると共に、カフェ業界においてECO活動も盛んになっています。スターバックスではは関東・関西を中心にコーヒーの豆かすを回収する店舗を増やし、牛のえさや堆肥にリサイクルする活動を行っています。このような地球環境、地域社会に配慮した活動は人々の共感を集め、今後ますます増加していくでしょう。

人気ゆえに市場は「競争状態」

カフェ人気が高まる一方で、市場の競争は激化しています。カフェの競合相手には喫茶店やファストフード店、コンビニ、自動販売機などがあり、売上を維持して安定した経営を行うのは難しい現状があります。新規参入も多いカフェ業界ですが、その一方で廃業も多いという実態があります。カフェ業界で成功を収めるには、低価格でも本格的なコーヒーを提供したり、ストアコンセプトを確立するなどして、競合店との差別化を図る必要があります。

カフェ業界におけるM&Aの動向

近年のカフェのM&Aの動向は、どのようなものなのでしょうか?ここでは、4つの特徴について解説します。

好立地ほど高値傾向

カフェに限らず、飲食店全般において店舗の立地や周辺環境はとても重要です。アクセスしやすい立地条件下にあるカフェほど、売却価格は上昇します。カフェのM&Aにおいては、集客効果が高いと判断されたカフェがそのまま買収対象となる場合もあります。

回転率・運営のしやすさ

カフェで主に提供するコーヒーそのものの原価率は低いですが、一杯で長時間滞在する客が多く、回転率は低い業態です。にも関わらず、カフェは「明るい」「オシャレ」なイメージから優秀な人材が集まる可能性が高く、運営がしやすいと言われています。そのため、競争の激しい飲食店業界においてもカフェ業界は好調を維持しています。

マーケティング拠点として

カフェのM&Aにおける他業種からの参入率は、3~4割に及びます。近年はカフェ=マーケティングの発信拠点と捉え、買収に乗り出すケースも多いです。

異業種との相性が良好

カフェの運営会社が別事業に参入し、事業拡大を図るケースは多いです。例えばキーコーヒーが展開する「キーズカフェ」は、ビックカメラ店内や病院、高速道路のサービスエリアをはじめとした大型商業施設に出店しています。こうした異業種とのコラボレーションが、今後のM&Aの展開にどう影響していくのか、注目が集まっています。

まとめ

カフェの歴史は古く、世界中に根付いている文化の一つです。時代が変わっても柔軟にそのコンセプトは変化し、異業種とのコラボレーションなどを行うことで、新たな可能性を切り拓いていく発展性のある業態と言えます。